朝日新聞(夕刊)

2005年2月22日 朝日新聞(夕刊)10面  「ばんぐみ探見隊」コーナー

・使用写真は田上が小川を鉄柵に振っている写真。
 「場外乱闘の際でも冷静に撮影する長尾宏文カメラマン」のキャプション

「肉弾戦の迫力を生々しく  プロレスノア中継・日本テレビ系」(見だし)

大きな男たちの肉弾戦の迫力を伝える「プロレスノア中継」。20日に収録があった
東京・後楽園ホールに出かけてみたら、総勢40人のスタッフが「見やすく、分かり
やすく」を合言葉に、興行開始から終了まで3時間にわたって奮闘していた。戦後、
テレビ普及の原動力になったプロレス中継はいま、どんな姿なのかを探ってみた。


826 名前:お前名無しだろ[sage] 投稿日:05/02/24(木) 10:11:15
『体力勝負のカメラマン』

 「ノア」は激しい技の応酬で、国内最高レベルのプロレス団体といわれる。「絶対王者
と呼ばれるチャンピオンの小橋建太は、鍛え上げた肉体とガッツを表面に出
す闘いぶりで、ファンの支持が厚い。
 この日は、首都圏でPRIDEや新日本プロレスの興行もあったが、格闘技と一線を画す
「純プロレス」を守り抜いているノアの熱心なファンが詰めかけて満員になった。
 小橋は「プロレスは見た人の心に残るから、長く続いてきた。見てくれる人が満足する
ように、最高のファイトを見せたい。プロレス道を極めたい」と語る。
 激闘を追う最前線がカメラ。長尾宏文カメラマンは、幼稚園のころからプロレス中継の
カメラマンになりたかった。重さが10キロを超すカメラを、第1試合からメーンイベントまで
3時間かつぐ。「一にも二にも体力。次が試合の展開を読む集中力」と話す。
 女性スタッフの藤木一葉ディレクターは、駐車場に置かれた中継車で画面のスイッチン
グを担当した。複数のカメラが映す映像を見ながら試合展開を読み、テレビで流す映像
を選んでいく。カメラマンに「小橋にズームイン」などと指示するのも仕事だ。
 言葉で試合の迫力を伝えるのが実況アナウンサー。平川健太郎アナはプロレスの知識
が豊富で、中身の濃い実況で定評がある。「うたいあげる部分と、黙って音だけ聞かせる
部分のメリハリが大事」と話す。
 矢島学アナは、実況を担当した当初はプロレスの技をよく知らず、「たたいた、投げた、
けった」という単純な実況だった。「知識がないので、妻に腕ひしぎ逆十字固めなど技をか
けてもらって覚えた。一点が決まると動けないことや、痛みに耐えるレスラーのすごさが
分かりました」
 「プロレスノア中継」は一部地域を除いて日曜深夜の放送だが、安定して高視聴率を得
ている。特に若い女性の支持が高い。
 東京ドーム大会のような大試合では、高さ20メートルのクレーンカメラや高速で動くレー
ルカメラの導入など、新しい試みにも挑戦している。


827 名前:お前名無しだろ[sage] 投稿日:05/02/24(木) 10:12:27
「プロレスが一番」

テレビの急速な普及はプロレスと共にあった。55年には、力道山を見るために東京・新橋駅前の
街頭テレビに大勢の人が群がった。
 プロレス中継の草分けが日本テレビ。「ノア中継」の今泉富夫プロデューサーは「ノアは力道山
の時代から受け継がれた本流」と語る。
 ノアの社長でトップレスラーでもある三沢光晴は「全国にプロレスを届けてくれるから、とても大
切な媒体。格闘技がもてはやされているけれども、プロレスが一番面白いと思う」と話す。